美容ディーラーとしての原点と独立へのきっかけ

美容業界に身を置いて約13年。私は美容商材を扱う一般的な美容ディーラーの営業マンとして、美容室のクライアントのもとを駆け回る日々を送っていました。

「いい商材を提供することが、美容室のためになる」そう信じていましたが、次第に価格競争の波に飲み込まれ、商材の価値よりも「いかに安く仕入れるか」が重要視される現実に直面しました。

それでも、「本当に美容室の力になりたい」「必要とされる存在になりたい」と強く思うようになりました。ですが、当時の私は商材の知識はあっても、経営については何も分かっていませんでした。ただ商品を届けるだけでは、美容室の本当の課題は解決できない──そのことに気づいたのです。

そんな悶々とした日々を過ごしていた私の背中を押したのは、ある美容室オーナー様との出会いでした。

その方は大きなサロンを経営されており、私に経営について多くのことを教えてくださいました。お話を伺う中で、自分がどれだけ経営の知識が不足しているか、そしてそれがどれほど大きなハンデになっているかを痛感しました。商品やサービスの説明はできても、サロンの売上を伸ばすためのアドバイスはできない。経営に悩むオーナー様に対して、何も役に立てない自分の無力さを思い知らされたのです。

この経験を機に、「もっと学ばなければ、美容室の本当の力にはなれない」と決意。私は経営の勉強を始め、中小企業診断士の資格取得を目指すことになりました。

■ 経営者は孤独——「相談できる相手がいない」現実

美容室オーナー様とお話をする中で、多くの方が口にしていたのが「経営の悩みを相談できる相手がいない」ということでした。

経営者は孤独だと言われます。特に美容室のような現場中心の業態では、従業員と一緒に働きながらも、経営の悩みは従業員には相談しづらいというジレンマがあります。

・将来的にどんな美容室にしていきたいか？
・理想の経営をするために、今どれだけの売上を目標にすべきか？
・原価率や人件費のバランスをどう考えるべきか？
・売上アップのために、どんな事業戦略を立てるべきか？

こうした「経営」に関する相談をしたくても、美容業界に深く精通し、現場のリアルを理解した上でアドバイスできる経営コンサルタントは少ないのが現状です。

美容室オーナー様にとって、一番身近な存在であるのは美容ディーラー。しかし、従来の美容ディーラーは「商材を届けること」が主な仕事であり、経営の相談ができる相手ではありませんでした。

「もし、いつも顔を合わせる美容ディーラーが、経営の悩みにも寄り添ってくれたら——？」

そのことを考えたとき、私は今までにない「コンサルタント型美容ディーラー」という存在になることを決意しました。

■ 美容ディーラー × 経営サポートという新しい形

私は美容ディーラーとしての経験を活かしながら、経営の専門知識を身につけるため、中小企業診断士の資格取得に挑戦しました。

この資格を取得することで、財務分析やマーケティング、人材育成、事業戦略など、サロン経営に必要な知識を体系的に学ぶことができました。

そして、独立後、多くの美容室オーナー様からいただいたのがこんな言葉です。

「美容ディーラーに経営のことまで相談できるなんて、こんなに心強いことはない。」

従来の美容ディーラーが担えなかった「経営の悩み相談」という役割を果たせることに、大きな価値があると実感しました。

美容商材を提供するだけでなく、「この商材をどう活かせば売上につながるのか？」という戦略まで一緒に考えられる。

「来年、もっとスタッフの給与を上げるには、今のうちに何をすべきか？」といった経営計画も、一緒に考えることができる。

そんな存在になれたら、どれだけ多くの美容室の不安を解消できるだろう——。

私は、美容ディーラーという仕事の可能性を、そこに見出しました。

■ 本当に必要とされる存在へ

「商材を売る」だけではなく、「サロンの未来を一緒に考える」美容ディーラーへ。

私は、そんな唯一無二の存在として、美容室オーナー様の力になりたいと考えています。

これからの時代、美容室経営には「数字の管理」や「戦略的な運営」がますます求められるようになります。

ですが、経営者がすべてを一人で抱え込む必要はありません。

私は、美容室経営の「頼れるパートナー」として、これからも皆様と共に歩んでいきます。

ぜひ、次回の記事もご覧ください！

【コンサルタント型美容ディーラー】株式会社ＡＤＡＷ　和田浩